第9回  母と女の狭間

「子供がいるの」

広瀬は口に含んだコーヒーを吹き出しそうになった。子供ぉ、、、

「び、びっくりしたよ。そうだったんだ。そ、それで父親は誰?」

やや興醒めした心持ちではあった。しかし、それは表に現わさず
気づかうように聞いた。なんだよぉ、、

どういう態度になるのか心配だったモニカはその広瀬を見て
ホッとした。ああ、よかったわ、嫌われていないようだわ。

「あのユキトなの」

まじかよ、、、藤沢の日本人だったな、たしか。その時モニカは18だったから、
すると子供は七歳か。ふーん、、、

「一足先にミュンヘンに帰ってきたのも彼が熱を出してしまって。ごめんなさいね」
「男の子なんだね。いいんだよ。それは心配だったろう」

心とは裏腹に優しい言葉が出てしまう。やっぱり母親だな。男より子供か。

「こんな私は嫌?」
「そんな事はないよ。モニカはモニカだし、変わらないよ」

パッと明るくなった顔で席を立ったモニカは広瀬の後ろに回り込みぎゅっと彼を抱き締めた。
彼が顔を横に向けると、その唇に熱烈なキッスを浴びせた。

顔をひねりながら広瀬も立ち上がり、舌を絡めあいながら、ダイニングの壁際まで後ずさりする。
モニカの豊満な乳房をセーターの上から揉みしだく。

「うぅ、、」モニカの長い舌をチュウチュウと吸いながら、手はセーターの中に滑り込む。

下はタンクトップか。ブラジャーはしていなかった。
モニカを壁に押し付けてそれをたくしあげ、乳房をむき出す。
モニカは眼を閉じて上気した顔を仰け反らせる。

カラン、、、

ゼナが帰ってきたようだ。顔を見合わせた二人は急いで身支度を整え、
広瀬は食卓に、モニカはキッチンの奥へ。

「まだお店は開いてなかったわ。お隣で借りてきたのよ。あら?モニカは?」
「あぁ、むこうです」
「あら、そう」

何があったのか気にする様子もなく、キッチンの奥へ行った。

それで今日はどうなるんだ。広瀬は落胆してはいたが、切り替えも早い。
ざっと観光をして、早めにベルリンへ帰るか。

ライ麦パンにハムを挟んだ物をほおばりながら、そんな事を考えた。
ああ、慶子の事を思い出してしまった。あっちもなんとかしないと。

奥から微笑みながら二人が出てきた。

「じゃあね、私は様子を見に行くから。今日は母が案内をしてくれるわ」
「うん、彼によろしく。名前は?」
「フリードリッヒよ。後で会ってね」

晴れ晴れとした笑顔で軽く頬を合わせて、出かけて行った。

残った広瀬はもやもやした物が残っていた。それは、、、

「話は聞きました。その事で彼女をどう思ってますか?」
「日本へ行った時にそんなになってしまって、、、正直、戸惑ったわ。
あなたも聞いているでしょう。その時に私と前の夫との関係は」

「ええ」 
「あの時は私もどうかしていたのね。あのブラジル女とモニカが重なって見えてしまって。
妊娠が分った時は罵倒したわ。
夫とあの女への怒りがすべてモニカに向かってしまって、、、」

悲し気な顔のゼナ。

「いまは?」
「しかたがないわね。それなりに幸福でしょうし」

薄い灰色の眼が優しい光をたたえていた。

朝食を取りながら、今日の予定に付いて話し合って、行く場所も決まった。

「さあ、食器を片付けてしまいましょう」
「ええ」

食器を洗い出したその後ろ姿にむらむらしてしまった広瀬は、彼女の後ろから
腰に手を廻した。

モニカへの怒りからなのかも知れない。ペッティングの途中でもあったし、、、
彼女もまんざらではなく、その背を広瀬に預けてきた。

「昨晩はあなたでしょう?」
「ふふふ、わかってらしたのね。昨日は、、、」

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モニカが部屋に戻ったのを見届けた後、自慰でやるせない状態のゼナは広瀬の部屋に入った。
過ぎた飲酒と69の快感で深い眠りについていた広瀬をベッドの脇で見下ろしながら、
ゼナはネグリジェを脱いだ。

パンティは自分の寝室に脱いでいたので、ぬるぬるした液体を股間から内股に感じながら、
これから起きる事に胸を時めかせていた。ちらと姿見に自分の姿を映してみる。

「胸も張りがあるし、まんざらでないわね」自ら乳首を摘んでみて、その心地よい感触に酔っているゼナだった。

ブランケットをめくって静かに広瀬の隣にもぐりこんだ。
ゼナはさっそく彼の股間をまさぐる。モニカが口できれいにした物はやや湿り気があった。
そのもっこりとした重量感に満足するゼナ。

「ああ、早く欲しいわ」

頭を広瀬の股間に持って行き、自分の股間は広瀬の顔に押し付けるように。
先端の部分を口にくわえ、幹を手でせわしなく上下させる。

「早く、早く回復して。あぁ、どんどん大きくなってくるわ」

適当な固さになったところで体の位置を変え、広瀬の物に手を添えて、
クリトリスを擦り付けながらスブスブと導き入れる。

「うっっ、いぃ」
「モ、モニカ?」

気がついた広瀬がサイドボードのランプに手を伸ばそうとするのを、
ゼナはしがみついて押しとどめる。

部屋の暗闇の中は、逞しい物がゼナの秘所に出たり入ったりする音と、
ハァハァとした息遣いだけを響かせる。

「くっ、あはっ」

くわえこんだ部分からの甘い快感が腰から全身に広がって、ゼナは達してしまった。
広瀬の胸に顔を押し付けたまま、しばらく余韻に浸っていた。

妙に小柄に感じながらも、そのむっちりした体をまさぐる広瀬。

彼女がベットから出ていったのはいつだろう。またも朦朧とした意識の中で広瀬は深い眠りに落ちていった。

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「今日はモニカがいないから、思いっきり楽しめるわね」
「あなたはこういう関係をどう思ってるんですか?」

今こちらからアプローチをかけながらも、その大胆さに驚く広瀬。

「ふふ、娘のボーイフレンドって事? そうね、不謹慎かしら、不道徳ともいえるかしら。
だから、いやらしくて燃えるでしょ。それとも私に魅力がないのかしら。女として」

笑みを浮かべ面と向かって言われると、ゼナの妖艶な魅力に刃向かえる者など居はしない。

「さぁ、寝室にいきましょう。昨日は出してないんでしょう。私のなかに、ふふふ」

あのモニカにしてこの淫乱な母、ゼナ。その言葉に広瀬の股間は奮い立った。
© 渡辺 田中 24
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