第14回  肉体の解放

「お、おんな?ここは!」

そこには和気あいあいとした雰囲気で女性達が寛いでいた。
板に寝そべるもの、2段程の腰かけで足を組んで座るものなど。

一瞬、入る場所を間違えたかと思ったが、奥の方には男性も見える。
皆、体にタオルなどを巻き付けている訳ではなく、股間も露だ。

女性はといえば、形の良い乳首がツンと上を向いたプロンドのショートへアの娘
、
腰から尻にかけての曲線も艶かしい。

「あそこのヘアもショートか?」

そんな事を思いながら視線はつい、女性達の胸から秘所へと遠慮なく注がれた。
やや薄暗い室内なので、そこまでは確認できなかったのが悔やまれる。

中年の男性が桶の水を柄杓でコークスにかけると一気に湯気が立ち上る。
それをタオルで煽ると、歓声が上がる。

「ドイツはこういうところなのか」

考えて見れば、ワンダーフォーゲルや裸体運動の発祥の地はドイツである。
裸になって自然に帰り、その事は、さらなる精神の解放につながる運動となる。

保養地などではトップレスなどは当たり前であるし、ここでもそんな感覚か。
それにしてもこれぞカルチャーショックではあった。

そもそも裸体を隠すべき物、悪しきものなどと言う事はどこからきたのだろう
イギリスやフランスを初めとした帝国、植民地主義者が現地の風習を抹殺した
結果である。

よく南の島の風景をテレビで見たりするが、アレは一体なんなんだ。
ティーシャツにスカート、美しい裸体など拝める術も無い。

アマゾンで文明に毒されていない人々をまだ見る事はできる。ただ
ペニスケース、腰蓑など伝統の風習を受け継ぐ部族は少なくなっている。

体は何物にも締め付けられるべきでなく、自由に解放する事に寄って
その精神も初めて自由になれるのである。

そんな事を考えながら、斜め置くの美しい娘の裸体に見とれていた。

「ふふふ、どこをみているの」

栗色の髪をした若い娘が声をかけてきた。その視線と
がっちりした体の広瀬に興味を持ったようだ。

「いや、失礼。あなたがあまりに美しいものですから」

「別に失礼ではないわ。ありがとう、誉めてくれて」
「そちらに行ってもいいですか」
「ええ」

隠すのも変におかしいので、股間もそのままに彼女の横へ移動した。
タオルを下に敷いて隣に座る。

「私はヒロといいます。日本から仕事で来てるんですよ」
「カレンよ。よろしく」

近くで見ると肌の張りが素晴らしい。乳房はお椀を伏せたような形だ。
腹には贅肉など一つもない完璧なボディーだ。

唇の赤が瑞々しい。若さ溢れる証拠ではなかろうか。

「ここへは良く来るの?」
「ええ、泳ぐのが好きだから」

髪の毛は顎の下で切りそろえ、緩やかに内側にカーブしている。
首を揺らすと毛先が彼女の頬を撫でる。

「一人で?」
「たいていはボーイフレンドとだけど、今日は独りよ」

この娘を抱いているその幸運な男はどんなやつだ。
かすかな嫉妬心が広瀬の胸に灯った。

グループで来ていたのだろう、幾人かの男女が出て行き
サウナには広瀬とカレンだけとなった。
© 渡辺 田中 24
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