第13回  泳いだ後で

「あ、トラムが来たよ」
「まだょ!」

ひやひやしながらゼナの秘所を嬲ってはいたが、それだけに没頭は出来ない広瀬
。
女って生き物はすぶといな。周りの状況はあまり関係ないらしい。

紅潮した頬と眉間の皺がもうすぐ逝くことを示していた。

「ふぅっ!」

広瀬の指に生暖かい物がまとわり付いた。あたかも何かの生き物の様に絡み付い
た。

「逝ったな、、」

ゼナは顔を広瀬の胸に押し付けていてその表情はうかがえない。
顎に手を添えて顔を覗こうとすると、いやいやをしながらも、
上目遣いで広瀬の見つめるゼナ。

「ねえ、どうだった?」
「とってもよかったわ。あなたの指はびしょ濡れね、ふふっ」

そのまま見つめあい、唇を重ねてねっとりとお互いの舌を絡めあう。
唾液の粘り気もより一層陰微な感じを醸し出す。

濡れた指は彼女のスラックスで拭った。
彼女の前にそれを突き出してみたい気持ちにかられた。

おそらく、その指を嘗めしゃぶるのではないだろうか。公衆の面前で、自分を嬲
った指を、、

「次のトラムだよ」
「ええ、これで行きましょう」

車内で彼女はぐったりとする様子もなく、いきいきとしている。
事の後に元気なのは女に決まってるな、そんな事を思う広瀬であった。

市中心部から北上して間もなく、オリンピックツェンテュルムに到着した。
あのミュンヘンオリンピックで建設された施設群がある。

「ここへはよくくるの?」
「そうでもないわ。今日はあなたのリクエストでしょう。
もう帰りましょう。もっとゆっくりと、あたなの太いものが欲しいわ」

ゼナは冗談ぽく微笑みながら、彼女の腰に廻した広瀬の手をつねる。
「せっかく来たんだから、ね」

広瀬も冗談ぽく懇願して、お互い顔を見合わせて笑いあう。

しばらく歩いて受付に着いた。施設使用料を払いロッカールームで着替える。
広瀬のいでたちはビキニスタイルのパンツ、ゴーグルに、耳栓、頭にはスイムキ
ャップ。

そう、ここにはオリンピックで使われたプールもあるである。
冬は温水なので一年を通してミュンヘン市民の水泳の場を提供している。

シャワーを浴びて、待っているとゼナが現われた。
花柄ワンピースのスイムスーツに身を包んだその恰好は、
ベッドで乱れる淫乱さとは程遠くはあったが健康なお色気を讃えていた。

飛込み台では地元の子供たちが嬌声を上げながら、勢い良くプールに飛び込んで
いた。

久しぶりの泳ぎなので嬉しくもあり、少々飛ばしぎみの広瀬。
ゼナも泳ぎは得意なようで、ゆっくりとだが距離を徐々に伸ばしていた。

「ふー、疲れた。一休みしょうか」
「私はまだ大丈夫よ。あら?唇が青いわ。先にサウナに行きなさい」
「へぇー、サウナがあるんだ」

サウナ室もあるなんて、確かに少し体が冷えてきたので、ちょうどいいな。
えーっと、こっちが「男」だよな。

木製の扉を開けてそのサウナ室に入った広瀬が見た物とは!
© 渡辺 田中 24
[Back To Top]
inserted by FC2 system